ネズミのモデルにおける早急なバーンフリー®の使用と火傷の程度への影響
Morris SE, Ward RS, Shelby J, Boswick JA

火傷の程度と深さは、熱傷害時の温度と継続時間だけではなく、損傷への対応にも関係している。この対応のフォローアップとしては、十分な急速輸液と患部の最良な看護がある。バーンフリー®は局所ハイドロコロイドジェルで、熱傷の緊急治療に使用される。我々は、真皮全層熱傷の限度をマウスのモデルを使い、バーンフリー®を熱傷の緊急治療に使用した場合と生理食塩液を使用した場合の比較結果を形態計測学的に調査した。

方法:20匹のC3H(近交系)マウスは、熱湯熱傷(70℃を6秒間)をTBSA(トータルボディー体表面積)の20%に負った。その直後、傷口に室温の生理食塩液またはバーンフリー®を20分もしくは40分間塗布した。マウスは傷口のヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色検査のために2日後に殺された。真皮全層壊死部から表皮までの距離をマイクロメーターで測定した

結果:熱傷の遷移層はバーンフリー®を使用したマウスの方が広かった。生理食塩液を使用した傷は0.51mm(治療20分間)から0.72mm(治療40分間)、バーンフリー®を使用した傷は2.21mmから2.83mmを測定した。

要約:マウスの真皮全層熱傷の早急な局所薬の使用において、生理食塩液の使用よりバーンフリー®の使用のほうが壊死部から表皮への遷移部が広かった。真皮全層熱傷はこれらの治療法に影響を受けていないようだが、これらの結果は軽度の熱傷という有益な結果をもたらすことを示唆している。

豚の部分層創熱傷の膏薬療法後の組織学と皮膚血流の変化
Morris SE. MD, Edelman LS. RN, Mphil, Speakman JJ. BA, Fryer. BA, Mone M. RN, Shelby

J. PhDDepartment of Surgery, University of Utah School of Medicine, Salt Lake City,
UT

部分層創熱傷の治療には、局所用抗生物質の使用と細心の創傷清拭が行われるのが普通である。傷口の細菌増殖を極小化しながら湿潤維持することが手当ての特徴である。スルファジアジン銀クリーム(SSD)は毎日の、またはBID創部ケアプロトコルの一部として広く受け入れられてきた。ハイドロコロイドジェルは使い易さと患者からの高い評価を報告されているが、それらの薬の効果について比較調査されていない。部分層創熱傷の豚のモデルを使用して、SSDまたはハイドロコロイドジェルの一つであるバーンフリー®ジェル(BFG)で治療を行った場合の熱傷の組織学、そして生理状態を調査した。

方法:体重40kgの豚(n=3)2頭に吸入麻酔薬のもと、85℃の25?アルミブロックを背部に10秒ずつあて計16個の創傷を作った。皮膚血流量は、レーザードップラー流量計を用いて、創傷前、30分後そして創傷直後連続して測量された。創傷は、熱傷30分後にSSDもしくはBFGで覆われ、創傷後4日目(PBD4)まで毎日交換、それ以降は10日目(PBD10)まで二日に一度交換された。傷の生検はPBD3と10に、組織形態計測により上皮(H&E染色)と間葉(ビメンチン)の反応を査定して行われた。

結果:
血流の測量が、創傷前から創傷後30分で50-85%減少。血流はSSDとBFG均一に10日間で66-200%上昇した。PBD3にビメンチンの発現は、基底膜(p=0.09)よりBFGの場合684±143mcm、SSDの場合は994±114mcmであった。PBD10までには線状再生上皮形成がBFGで91±3%、SSDで70±7%であった(p=0.006)。

要約:豚のモデルによる部分層創熱傷は調査中当量の血流を保ったが、BFGによって治療された豚の上皮形成とビメンチンの表面的発現時に血流が増える傾向にあった。これは創傷の物理的環境、もしくは細胞培養で以前に実験されたSSDのケラチン生成細胞成長の結果の違いを意味しているかもしれない。豚の熱傷モデルではSSDと比較して、BFGは創傷の上皮形成に不利ではなさそうだ。

皮膚再生の新しい細胞培養方法
Bergeron S. DEC, Ross G. BsC, Rouabhia M. PhD

Laboratoire de recherche des grands brules/LOEX,

Department of Surgery, Laval University, Quebec, CANADA

以前の研究で我々は、移植シート生成のために50%同系、50%同種異系のケラチン生成細胞を使用した新培養法を試験的にデザインした。免疫組織化学法は、それらのシートが組織的にしっかりとした皮膚を生み出すことが可能なことを示した。

今回の試験では、同系、異種、同種異系のケラチン生成細胞を含むキメラ移植シートを使用する方法の実行可能性を調査する。そのためにマウス(Ba1b/cC3H/Hen)とヒトケラチン生成細胞が、それぞれ別に培養、または共培養された。 キメラシートは1:3Ba1b/cケラチン生成細胞、1:3C3H/Henケラチン生成細胞、そして1:3ヒトケラチン生成細胞を混合して作られた。培養開始から4-5日後、移植前に全てのキメラシートには、全ての細胞タイプがキメラ培養初期の植え付けに使われるものに似た割合で含まれている。移植の15日後、同系移植片と比較してキメラ片には大幅な生着と皮膚再生がみられた。

組織学的分析は、キメラ移植後新しく生成された皮膚は、基礎の出来た表皮、基底層直上部と角質層が上手く組織化されていることを明らかにした。この皮膚の皮膚細胞は、生理的活性の証拠であるラミニンとIV型コラーゲンを分泌した。エンドグリン染色は、よく血管新生化された皮膚を表した。抗H2d、抗H2kそして抗HLA-ABC単クローン抗体を使った細胞表現型において、キメラ移植内の異種と同種異系ケラチン生成細胞が大幅に減少したのに対して、多量の同系ケラチン生成細胞を移植片が拒否されていないかたちで存在していることを確認した。免疫学研究では、異種と同種異系と比較してキメラ移植には白血球浸潤が弱かった。

これらのデータは、キメラ培養法が先天性巨大色素性母斑や皮膚潰瘍、そして広範囲にわたる火傷の皮膚治療に利用できることを示唆している。実際、第三度火傷においてこの培養法は、細胞の成長と移植シート生成に必要な時間を短縮できるかもしれない。その上キメラ移植アプローチは、火傷患者の入院中の治療コストを大幅に削減する可能性もある。